Diesel Engine -Achievements- ディーゼルエンジン/施工実績

施工実績 Achievements

日立 MAN B&W S40ME-B9.5

[電子制御エンジン]
燃料噴射・シリンダ注油・排気弁の動作を(高負荷域のみ)を電気的に制御することで燃焼・注油タイミングの最適化を図り、燃料油とシリンダ油の消費率を改善しています。特に低負荷域での燃料消費率を改善することができます。当社では、2014年に国内初めてとなる6S40ME-B9.3型の電子制御エンジンの製造を開始しました。その後、2018年12月までに、50基の電子制御エンジンが船に搭載され、運行されています。

日立 MAN B&W L35MC6.1

[機械式エンジン]
燃料噴射・排気弁の作動タイミングをカム軸で機械的に制御します。特にL35MC型エンジンはマイナーチェンジを経ていますが、初号機製造(1983年製造)から250機を製造しておりロングセラーのエンジンとなっています。これは、非常に経済性、信頼性があり、操作性、メンテナンスも容易であることが多くのお客様に選ばれる理由であると考えています。

エンジンの構造

当社の製造しているエンジンのピストン直径は、30cm~46cmで、出力は2200kW~11,000kWです。主機関の大きさは、当社製造機関の最大である6S46ME-B8.3で”幅6.5m×長さ8.0m×高さ8.5m”です。最近の環境規制対策(排気ガス中のNox含有量削減)として、当社では日立造船が提供しているSCRを採用することとしております。
SCRとは選択触媒還元(Selective Catalytic Reduction)の略で、還元剤(尿素水)と排ガス中の窒素酸化物(NOx)とを反応させ、無害な窒素(N2)と水(H2O)に転換させる技術です。日立造船SCRの特徴はターボチャージャーの前段階に反応器を設置することでコンパクト化が可能です。

搭載船(1)

当社で製造した2サイクルディーゼルエンジンは、主にタンカー(プロダクト・ケミカル)、LPG船の主機関として搭載されており、船の全長は150mに達するものもあります。
その他にも、自動車運搬船、バルクキャリア、フェリーにも採用されており、国内はもとより、全世界(全海域)で運行されています。このように当社エンジンはグローバル物流を支えています。

搭載船(2)

船の年間の稼働時間は5,000時間であり、運航距離にすると年間125,000kmになります。
(一般家庭の自家用車の走行距離は多くても20,000kmであることを考えると、稼働時間は500時間程度です。)
また、船は悪天候の中を波・風を切って進むことが要求されますので、主機関は丈夫で壊れにくいことが非常に重要な要素となります。

エンジン製造工程

エンジンの受注から出荷までの大まかな流れは下記のとおりです。
1. 客先(造船所)との仕様打ち合わせ、受注
2. 設計(主機関仕様書(製作指示書)の発行)
3. 調達(部品粗材、機器の手配)
4. 製造(機械加工、組立て、陸上試運転)
5. 出荷(海上輸送)
また、当社からの出荷後の工程は下記の通りで、出荷後のサポートも行なっています。
6. 本船への搭載(据付け)
7. 海上運転
8. 本船の就航(引き渡し)

アフターサービス

船の寿命は20年以上であり、長期間運行されます。当社では30年以上前の図面も保管しておりますので、古い機種であっても部品供給、技術問合せへの対応が可能な体制を整えております。
舶用エンジンも定期メンテナンスが必要です。その多くは乗組員自身の手で整備されてますが、ご要望があれば技術者派遣にも対応しております。
当社では設計製造で培ってきた技術力と長年の経験に基づいたサポートの提供が可能です。